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生命の起源に関連しそうなよもやま話

    隕石衝突によるアミノ酸発生の発表について

    質問の人 アミノ酸の自然発生メカニズムとして、隕石衝突も一つの可能性として出てきましたが、これも[GADV]-タンパク質ワールドの真実性を後押しすることになると素晴らしいと思うのですが、どうでしょうか? はい。アミノ酸の合成、それも[GADV]-アミノ酸の合成に関しては、ミラーの実験や熱水噴出孔、隕石の重爆撃による合成のほか、[GADV]-アミノ酸を含む隕石や宇宙塵による地球への持ち込みなども知ら […]

    エピジェネティクスとGADV仮説?

    質問の人 近年、遺伝子のスイッチを着目する「エピジェネティクス」が研究されています。その中で、「エピジェネティックな目印には、DNAにつく目印(DNAメチル化)とヒストンにつく目印(ヒストン修飾)の2つが知られている」とあります。ヒストンがタンパク質であり、そこにDNAが巻き付いている点、DNAメチル化がCpG配列のCに認められる点は、始めにタンパク質ありきというGADV仮説、およびGNC-SNS […]

    「土星衛星エンケラドス模擬熱水環境でペプチド合成ができた」のインパクトは?

    質問の人 「土星衛星エンケラドス模擬熱水環境でペプチド合成ができた」という発表は、様々な環境でペプチド合成が可能であることを示唆していると思われるのですが、この点に関して、どのようにお考えでしょうか? 『土星衛星エンケラドス模擬熱水環境でペプチド合成ができた』ということは確かに様々な環境でペプチド合成が可能であることを示しています。『土星衛星エンケラドス模擬熱水環境』でアミノ酸が重合した(ペプチド […]

    アミノ酸なしのペプチド形成もタンパク質ワールドをサポートする?

    質問の人 ペプチドがアミノ酸なしで形成できるという発表に関して、生命の起源の観点からどのようにお考えでしょうか? この論文は、『ペプチドがアミノ酸ではなく、アシル-α-アミノニトリルを出発物質として合成できることを示した』ものです。確かに、アミノ酸を経由せずにアシル-α-アミノニトリルからペプチドができるということは、ペプチド形成がこれまで考えられていたものより容易にできた可能性のあることを示して […]

    ヒト微生物叢の未知タンパク質大量生成とタンパク質ワールドの相関?

    質問の人 ヒト微生物叢が未知のタンパク質を大量に生産していることが発表されました。これが事実だとすると、これはタンパク質ワールドをある意味で示唆していることになりませんか? 発表論文:https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(19)30781-0 『ヒト微生物叢が未知のタンパク質を大量に生産している』ということは、我々がまだ知らない『未知のタンパク […]

    「対称性の自発的破れ」によるセントラルドグマの数理的説明とGADV仮説の矛盾性は?

    質問の人 セントラルドグマを「対称性の自発的破れ」から数理的に説明したとの論文が出ましたが、これは最初に触媒活性のあるRNAから双方向に分離してセントラルドグマが作られたと解釈されているように思います。これとGADV仮説は矛盾しないものでしょうか? 発表論文: https://royalsocietypublishing.org/doi/10.1098/rspb.2019.1359 論文に目を通し […]

    GADVからの進化が必然的→宇宙のどこかでの進化は?

    質問の人 [GADV]-アミノ酸からの進化が必然的なものであるとしたら、宇宙のどこかで別個に進化した生物もやはり似たようなタンパク質を 元にした生態システムを作ると考えられますか? はい。[GADV]-アミノ酸にはそれぞれ的確な性質を分け持っている(<役割分担>Gly:ターン/コイル形成能の高いアミノ酸、Ala:α‐へリックス形成能の高いアミノ酸、Asp:化学反応を進める官能基(カルボキシル基)を […]

    生命の起源を研究するのは非科学的か?

    生命は約38億年前の原始地球上で誕生したと考えられている。したがって、生命の起源を研究することは、約38億年というはるか遠い昔の原始地球で起こったことを研究することである。そのような遠い過去に起こった現象を現在の研究室では再現できない。そのため、生命の起源を研究することは非科学的だとの意見がある。本当にそうだろうか。 生命の起源のように、極めてその解決が難しいと思われる問題を解決するまで、多くの人 […]

    サルが適当に打ったタイプがシェクスピアになるか?

    Wikipedia「生命の起源」の中に、GADV 仮説の問題の一つとして、「アミノ酸をランダムにつないでも精巧なタンパク質触媒とならない」ことの比喩として、「サルがタイプを適当に打ってもシェクスピアになることはない」と書かれている。もちろん、何の制限もない条件の下で「サルが適当にタイプを打ってもシェクスピアが書いた文章になる」ことは確率的に見てありえない。 しかし、私の考える GC-NSF(a) […]