1コドンが塩基3個である理由とSNS原始遺伝暗号

質問の人
SNS原始遺伝暗号を構成するアミノ酸の個数は20の半分の10である一方、1コドンを成す塩基対の個数は3のままであるのは、なぜなのでしょうか? 1コドンが塩基対3つからなる理由として、「塩基対4種が3つ並ぶ場合の数が4^3=64で、アミノ酸の数20を上回るからだ」という説明をよく見るのですが、アミノ酸が10ならば4^2=16>10となり、SNS原始遺伝暗号においては2塩基対からなるコドンでも役割を果たせそうにも思えます。

遺伝暗号の起源に関して、これまでにもより初期の(したがって、より少数のアミノ酸を使用する)遺伝暗号では、トリプレット(1コドンを成す塩基対の個数は3)でなく、ダブレット(1コドンを成す塩基対の個数は2)やシングレット(1コドンを成す塩基対の個数は1)であっても良いのではとの意見があります。ただ、これにつきましては、次のように考えられています。

もしも、遺伝暗号がシングレットの暗号から始まり、使用可能なアミノ酸数が増えるにしたがって、ダブレット、トリプレットの暗号へと変化したと考えますと、シングレットで書かれていた暗号がダブレットへと枠組みが変化した時点で、それまで使用していたシングレットの暗号すべてを使用できなくなります。同じようなことがダブレットからトリプレットへと変化した際にも生じます。そのため、トリプレットの暗号を使っている現在の地球上の生命体の最初の祖先生命体が使っていた暗号もトリプレットから始まっていなければいけないのです。

なお、私が主張していますGNCからSNSの暗号、そして、現在の普遍(標準)遺伝暗号へと進化したとのGNC-SNS原始遺伝暗号仮説では、最初から現在まで形式はトリプレットのままなのですが、実質的にはGNC(1x4x1 = 4)がシングレット、SNS(2x4x2 = 16 = 4^2=16)がダブレット、普遍遺伝暗号が(4^3=64)トリプレットの暗号へと段階を追って進化したと考えることができるのです。